はじめに
今年、北良株式会社(以下、「北良」)の創業から70周年の節目を迎え、お世話になった皆様と、この地域の医療・くらし・ものづくりに関わってこられたことに感謝申し上げます。
13年前の東日本大震災を境に、大きな時代の変化を感じています。震災のさなか、北良も医療の分野を中心に様々な支援を行いました。また、この経験をきっかけに、その後に全国各地で発生した地震や水害などの災害でも、被災地支援を行ってきました。特に、今年は能登半島地震という大きな災害があり、これまでにない長期間の支援を行うこととなりました。
災害を通じて見えてきたもの
災害の現場では、医療的なケアが必要な方などに対して、みんなが支えて命がつながっています。一方で、こうした方々に十分な支援が無いという課題があります。熊本地震では、車中泊で長期間過ごす患者さんがいたという現実もあります。今の日本では、医療的ケアが必要な子どもや家族が安全に避難できる場所がありません。
能登半島地震では、避難所が開設できないことや、本来は医療的ケアが必要な方も一般の避難所で感染症の危険にさらされながら過ごさざるを得ないこと、さらには、被災者がより良い環境を求めて遠くまで移り住むことにより生じるトラブルなどの課題が見えてきました。

私たちの取り組み
北良では、医療的ケアが必要な患者さんのために、停電の把握と安否確認が可能なシステム「ANPY」の開発・普及、長期の停電に備えた発電機や、燃料としてガソリンもLPガスも使用できる自動車の配備、移動型避難所の開発や自治体との連携による訓練などを行っています。
また、「次世代へ、人と人とをつなぐ」ための取り組みとして、スポーツや子ども食堂、発達障がい児の支援、子どもたちと世界をつなぐ企画「教えてメジャーリーガー」への協力、医療的ケア児の社会参加の支援といった社会貢献活動も積極的に行っています。
社会課題の解決に向けて
世の中は様々な課題であふれています。インフラの老朽化だけでなく、法令、規制、組織、習慣、1人ひとりの考え方などが課題解決の壁になることがあり、多様な個人が共通の背景で課題を抱えていることもわかってきました。
これから、私たち北良は、1人だけ・1つの組織だけでは解決できない共通の社会課題の解決に取り組んでいきたいと考えています。このカンファレンス「WHOLE EARTH DAY」では、たくさんの課題に対して、現場で向き合っている方々の想いや考え方を学び、皆さんと一緒に「世の中の困っていることを解決したい」、「この地域をこうしていきたい」といった、希望に向けて考えていく場にしていきたいと考えています。